ネギラーメンの物語

マーケティング

なぜ、同じネギラーメンなのに
すぐ潰れる店とずっと潰れない店の
2つに分かれるのか…

その秘密に気付いた瞬間、
ハッと息が止まりました..

・・・

11年前。

私が京都外国語大学3回生の頃。

校門を出て徒歩3分のところに
チェーンのネギラーメン屋がありました。

いつも満席の人気店。

特にランチの時間帯は
大学生やサラリーマンで激混み。

行列に並ぶのが苦手なので
夕方15時くらいに行ってましたけど
それでも、回転し続けていました。

味は正直、普通です。

いや、普通と言うかむしろ
飛び抜けて美味しくはないけど
それなりに美味しい店でした。

似たようなネギラーメン屋が
すぐ近くに3店舗ありました。

どのライバル店も空席が目立ってました。

私は不思議に思いました。

「似たようなネギラーメンなのに
 どうしていつも満席の店と
 いつも空席の店に分かれんだろう..」

お客さんが入らない3店舗はきっと
味がマズいからヒマなんだ、と思って
あえて流行ってない店で食べました。

結果、空席が目立つ店も美味しかったです。

素人の感覚からすると
流行っている店もヒマな店も
似たようなネギラーメンでした。
(細かなこだわりはあるのでしょうけど..)

人気店とヒマな店を食べ比べて
私はまた不思議に思いました。

「なぜ、同じネギラーメンなのに
 流行る店と流行らない店の
 2つに分かれているんだろう…。」

半年後。

行列のできるネギラーメン屋は
以前と変わらずお客さんで満席。

逆に、

客入りが良くなかった
ライバル3店舗はすべて
潰れてしまいました。

ここでもう一度。

いつも賑わっている店舗も
空席が埋まらずに潰れた3店舗も
味はほとんど同じでした。

…。

「なぜ、同じネギラーメンなのに
 流行る店と流行らない店の
 2つに分かれるんだろう…。」

自分自身の行動を振り返りました。

なぜ、人気店を選んだかと言うと
美味しいからではありませんでした。

いつも友達に誘われたからです。

そして、誘ってくれた友達は
“ある”クーポン券を持っていました。

来店1回ごとに発行している
半熟卵無料か100円引きかを選べる
黄色いサービスクーポンです。

せっかくもらったクーポン券の
期限を切らすのはもったいない。

だから友達は私を誘った。

友達に誘われたからいつも
人気店で食べていたのです。

つまり、味ではなく、クーポン券が理由。

サービスクーポンは
初回客をリピート客に変える
マーケティングツールの1つです。

人気のネギラーメン屋は味だけでなく
どうすれば2回目も来てもらえるか。

リピート来店を期待して
黄色いサービスクーポン券を
発行していたのだと思います。

「あ、クーポンだ!!!」

と、直感しました。

次の日、私は紀伊国屋大阪梅田店の
マーケティング書籍コーナーに行き
関連書を3時間、立ち読みしました。

欲しい本がたくさん見つかりました。

当時は大学生でお金がなかったので
すべて立ち読みで知識を吸収しました。

そしてなぜ、同じネギラーメンなのに
すぐ潰れる店とずっと潰れない店の
2つに分かれるのかが見えてきました。

答えは「マーケティング」でした。

味のクオリティではなく、
マーケティングをしているかどうかで
店が潰れるか生き残るかが決まる。

その事実に気付いた瞬間、
ハッと息が止まりました。

なぜなら、味さえ良ければ
自然とお客さんが増え始めていつか
人気店になるんだと勘違いしていたので。

自分の中にあった常識が
ガラガラと音を立てて崩れました。

…。

ネギラーメンがきっかけで
マーケティングに興味を持ちました。

そして、恋に落ちました。

なぜ、同じネギラーメンなのに
すぐ潰れる店とずっと潰れない店の
2つに分かれるのか。

その違いとは一体、何のか。

ここまで読んであなたにも
ある程度お分かり頂けると思います。

そうです、味ではなかったのです…。

では!
 
安達

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